【特集】千葉大学、聖徳大学短期大学部、松戸市連携シンポジウム開催レポート(1)

産官学民連携による地域課題解決と
その体験を通じた学び

産官学民連携による地域課題の克服とその取り組みを通じた教育、人材育成に関するシンポジウム『産官学民連携による地域課題解決とその体験を通じた学び』が2月21日、聖徳大学にて開催された。「地(知)の拠点」である大学と地域の連携がもたらす地域活性化の可能性について、産官学民それぞれのパネリストが活発な議論を交わし、千葉大学と聖徳大学短期大学部が取り組んだ実践活動の成果が紹介された。

基調講演

『「地(知)の拠点」に期待すること ─コミュニティビジネスの立場から─』

地域に根ざした産官学民の連携が成功の秘訣

講師:永沢 映
NPOコミュニティビジネスサポートセンター 代表理事

コミュニティビジネス(CB)とは地域にフォーカスし、市民が主体となって地域の問題・課題を事業の手法で解決するものです。CBを実践するうえで何よりも重要なのは、生活課題や地域課題を最も実感している生活者それぞれの視点に立ち、解決していくこと。これまでは行政が税金を投じて解決したり、ボランティア活動が支えたりしていましたが、最近はビジネスの手法を用いた持続的な解決策が増えてきています。

CBを行う自治体や大学が課題について先入観を持たないことも大切です。地域に深く入り込み、住民の声をしっかりと把握することで、思い込みとは違うニーズや課題が出てくることもあります。

CBによる課題解決はコーディネーター(つなぎ役)、プレイヤー(担い手)、サポーター(応援や協力、寄付など)による三位一体で実施されますが、その役割分担も重要です。つなぎ役として担い手同士をつなぎ合わせることが、信用力のある自治体や大学の役目。また、ボランティアなどのサポーターを開拓し、どれだけ多く巻き込めるかも問われます。

たとえば、地域活性化を図るために松戸で何かのイベントを開催するとします。ここで重要になるのが、成果を定める「フェーズ(段階)」です。これはイベント開催自体をゴールとする第1フェーズから、そのイベントを日本全国に向けて発信するきっかけにすることまでを視野に入れた第5フェーズまで、成果ごとに設定した段階です。産官学民がフェーズをバラバラに意識してCBを進めれば、一体感のある街づくりや課題解決はできません。

さらに、CBの成功には「4つの要素」が、活動する際にバランスよく定着することが不可欠です。1.住民の本当のニーズ、2.産官学民の協力体制、3.関わっている人たちが楽しめていること、4.一過性ではなく持続・継続が可能なかたちでの実施。4つのうちのどれが欠けても、そこから必ず崩れてしまいます。

政府主導による教育再生実行会議では、地方創生を推進するうえで大学に求められることとして、地域で活躍できる人材を育成する教育プログラム、つまり「人づくりこそが地域づくり」というテーマが強く打ち出されています。一方で、「大学で再び学びたい」というニーズに応えることや、「NPOや地域活動に参加したい」市民のための拠点となることも、大学の新しいあり方として議論されています。

産官学民連携による松戸の課題解決に向けて必要なことを改めて整理すると、まず大切なのはより深く地元に根ざして生活者の声に耳を傾け、労力や資金、ノウハウといったそれぞれの役割を明確に分担することです。大学教育について言えば、卒業後に社会に出てどれだけ活躍できるか、つまり「出口戦略」を考えた教育プログラムが重要になります。それが明確になれば、高いモチベーションで学ぶ意識が学生に生まれます。そして、スケジュールとフェーズ。いつまでにどんな成果をめざした課題解決を松戸で進めていくのか。これを共有しながら行動計画をつくると非常に効果的です。

お問い合わせ
聖徳大学・聖徳大学短期大学部
教育研究推進部
知財戦略課・地域連携課

〒271-8555
千葉県松戸市岩瀬550
TEL : 047-365-1111(大代表)


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