ホスピスでの心のケアや救急外来での意識の覚醒、イメージ誘導法などでも注目を浴びている音楽療法。近年盛んになってきた「病院コンサート」などの効果も認められ、まさに研究の「待たれる」分野です。日本の音楽療法のメッカとも言うべき本コースであれば、数多い演習・実習を通して、早くから音楽療法の実際にふれ、経験を深めることが可能です。
本コースには、高度な音楽療法技術を有することはもとより、医学や教育、福祉等に通じた多彩な人材が揃っています。また、最先端であるアメリカやカナダなど、海外の音楽療法界とのパイプ役ができる教員や、日本音楽に深い造詣があり、東洋音楽による癒しに精通している教員もいます。これらの有能な教授陣が、基礎からしっかりと指導します。
音楽療法にふさわしい楽器はギターやピアノです。相手も自分もしゃべらない。ただ音楽で心を通じ合わせ、即興の音楽で会話をするのですから、やわらかい、優しい音の楽器が好まれます。歌いながら伴奏ができること。患者さんと目を合わせながら演奏できること…。音楽療法にふさわしい楽器の演奏技術の習得も、本コースでの大切な学びのひとつです。
・音楽療法概論 I
音楽療法は音楽、医学、福祉、教育、保健など幅広い領域にまたがる性質を持っています。音楽による人間の心へのさまさまな働きかけを歴史をたどりながら学び、音楽療法の定義、音楽の作用、音楽療法の対象などを概観します。
・音楽療法演習 II(施設実習 ・音楽療法実習)
音楽療法が行われている医療、福祉の現場とはどういうものなのかを実践を通して感じ取ります。近隣の公立通園施設・特別養護老人ホーム・老人保健施設・病院等、10ヵ所の提携施設で音楽療法士の指導のもとに実習を行います。
・音楽療法研究 II-3
精神病院における音楽療法の実際を、さまざまな視聴覚教材を用いてわかりやすく解説します。そして模擬セッションを通して体験しながら、精神病に対する能動的音楽療法を理解し、学びます。
・合奏法演習 IV(ギター演習)
音楽療法にはギター演奏の技術があることが好ましいとされます。リズムパターンやコードを学習し、実際に演奏して音色やリズムの妙味を体験します。
・即輿法演習 I・II
いかに音楽が目分たち人間の心の中を表現できるのか、心・身体・頭・音楽のつながりを学び、それを活かす即興の技術を習得します。また、音楽療法士に必要な、クライアントに合わせて移調・変奏できる技術も学びます。
・臨床医学総諭・各諭
総論で人体の構造、機能など音楽療法に必要な医学知識を学び、各論では脳と心の発達、心身相関、精神疾患の分類、心身症、精神分裂病、躁麓病、その他の精神病、境界性人格障害等、心の仕組みや病気について理解します。
今、話題の音楽療法とは
1.音楽療法って何ですか?
ひとことで言えば、音楽による心理療法のことです。つまり、音楽の持つさまざまな特性を音楽活動の中に利用する治療・リハビリテーションまたは治療教育という活動すぺてをさします。
2.音楽療法はどのように発展してきたのですか?
音楽療法ということにこだわらず考えると、もともと音楽そのものは、古来から人間が生活の中でいろいろ使い分けていたという経緯があリます。古代人は音楽を「魂の薬」とし、また「不思議な力を持つメディア」とも捉えていたのです。もうおわかリでしょうが、すでに古代から「音楽療法」が始められていたわけです。
音楽療法の専門家が職業として行う音楽療法の形熊は1940〜50年代にアメリカで行われた精神病院への慰問活動がはじまリて、次いて戦争による負傷者への音楽活動から音楽療法としての位置付けがしっかりしてきました。アメリカでは早くから音楽療法が社会的に認知され、多くの音楽療法士が医療・福祉機関で活躍しています。
日本では、精神病院において早くから取リ入れられていましたが非常に地味なもので、現在ほど注目を浴びていませんでした。昭和50年代になってさまざまな医療機関や福祉施設、教育機関関(特殊教育)での実践が盛んになり、事例報告等が積極的におこなわれるようになってきました。また、おりからの健康ブームにあやかって世間でも音楽療法に注目するようになり、関心が高まってきたわけてす。
1997年に全日本音楽療法連盟(現日本音楽療法学会)が音楽療法土の資格認定を制度化し、4年間で約350名の認定音楽療法士が誕生しています。
3.音楽療法はどんなことをするのですか?
基本的には、音楽を利用しながら、つまり歌を歌ったり、楽器を演奏したり、音楽で身体を動かしたりしながら対象者とコミュニケーションを計ったり、対象者の病んだ心を癒したり、機能回復を計ります。
ただ、心や身体の病んだ患者さんやさまざまな障害を持った人を相手に治療行為として行われるわけですから、ただ単に楽しめれはよいだけでは済まされません。「なぜ」音楽療法を行うのか(目的)そして「どのように」(方法)さらに「音楽をすることでどう変わったか」(診断・評価と考察)を常に追求しながら行わなけれはならないのです。奥の深い領域なわけです。
日本では医療機関(特に精神病院やホスピス病棟、心療内科等)また福祉現場(老人ホーム、老人保健施設、精神障害者、知的障害者の施設等)さらに教育現場においても養護学校や促進学級などで行われています。さらにもうひとつ、BGM的効果を図る意味で病院の手術室や待合室でかける音楽やリラクゼーション効果を得るためのボディソニックを利用した治療法も多くの医療機関で取リ入れています(いわゆる癒しの音楽がこの分野になります)。
4.音楽療法士になるにはどうすればよいのですか?
まずは「療法士」を目指す前に、「音楽のスペシャリスト」を目指すことです。つまりしっかり音楽技術(特に演奏)を磨き上げることが最も大切と思われます。
次に大切なのは関連領域の勉強です。関連領域とは医字、心理学、障害学、福祉学などとにかく幅が広いのです。これらの知識無しには療法士として現場で実践をすることは困難と思われます。全日本音楽療法連盟の音楽療法士資格認定のためのカリキュラムを見ますと、実に色々な勉強が必要なことがわかります。音楽だけというわけにはいきません。
でも、とてもやりがいのある分野です。資格を取得するにはこれらのほかに実際の現場での経験が重要になってきます。少なくとも数年の経験は心要とされるでしょう。これまで全日本音楽療法連盟で資格認定された人達は平均10年以上、現場で経験を積んだ人達ばかりです。とにかく、音楽ができて、治療に関しての幅広い知講と現場での柔軟な対応ができる人が望まれているわけです。
音楽療法についてもっと知りたいという人は、関連図書がかなリ出ていますので、ぜひ読んでみることをお勧めします。
「音楽療法の基礎」村井靖児著 音楽之友社発行
「こころに効く音楽」村井靖児著 保健同人社発行
「音楽療法の手引き」松井紀和著 牧野出版
この他にも多くの書籍がありますので、興味のある方は書店で探してみてください。
■関連ページ&リンク
・日本音楽療法学会(別ウインドウで開きます)
・日本芸術療法学会(別ウインドウで開きます)
・全国音楽療法士養成協議会(別ウインドウで開きます)