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心理教育相談所レポート

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【2013/11/30】

アサーションいろはかるたで学ぶ

 平成25年11月30日(土)、第3回聖徳大学心理教育相談所主催シンポジウムとして、「現代社会をしなやかに生きる~アサーションいろはかるたで学ぶ~」を開催しました。このシンポジウムは、科学研究費助成を受けた研究の成果発表も兼ねたもので、長田由紀子先生(聖徳大学心理・福祉学部教授)が司会を務めました。

 まずは、菅沼憲治先生(聖徳大学心理・福祉学部心理学科長)によるアサーティブネスについての解説からスタートしました。
 アサーティブネスとは、「自分や他者の欲求・感情・基本的人権を必要以上に抑えることなく、自己表現する行動である」と定義されるのですが、わかりやすく簡単に表現すると、「相手立てつつ自己表現」といえるそうです。
 アサーティブネスの利点として、自分への気づき、相手を尊重する姿勢ができる、自分を追い込んでしまうようなネガティブな感情を立て直すことができるといったことがあげられるそうです。
「アサーティブネスな人」とは、①毅然としているが強引ではない、②自分に自信を持っているが傲慢ではない、③自分にはアサーティブだが人間関係においては平等に配慮する、④オープンで率直だが支配的ではない、といった人だそうです。
 アサーティブネスにおいて大切なことは、「自分を知ること」、「相手の立場になって考えること」、「言いたいことを上手に伝える方法をみんなで考えて実践していくこと」だということでした。
 今まで以上に心の健康と向き合うことが必要となっていく世の中において、身体的疲労と精神的重圧から身を守るような予防的効果が、アサーティブネスにはあるということでした。

 関口由香先生(聖徳大学心理・福祉学部心理学科講師)からは、研究のプロジェクトの概要について説明がありました。
 そもそもこのプロジェクトは、高齢者が日常で感じている対人関係におけるストレス、アサーティブ行動の実態、サーティブな反応を阻害する要因を明らかにすることと、効果的なアサーティブ行動に向けて、バラエティに富み、かつ高齢者に実施可能なプログラムを考案することを目的として発足したそうです。その中で、アサーティブネスに親しみをもっていただくために考案されたのが、「アサーションいろはかるた」だそうです。

 伊波和恵先生(東京富士大学経営学部ビジネス心理学科准教授)からは、この研究プロジェクトで使用された「アサーションいろはかるた」の制作過程や、使い方についてご説明がありました。制作過程については、かるたのイラスト作成に携わった本学心理学科の学生へのインタビューを通して、実際の作業風景のスライドを見ながら、わかりやすく説明していただきました。

 その後は、白﨑けい子先生(聖徳大学心理・福祉学部心理学科教授)の解説のもと、参加者の皆様には実際に「アサーションいろはかるた」を使ったエクササイズを体験していただきました。
 ほとんどの参加者の方が初対面でしたが、「お互いに批判的な発言はせず、肯定的雰囲気を保つ」「お互いのプライバシーを尊重する」というルールの中で、とても楽しんでいただきました。当相談所主催の講演会・シンポジウムにおいて、実際にエクササイズを体験していただくのは初めての試みでしたが、想像以上の大成功となりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

聖徳大学心理教育相談所では、今後も様々な講演会・シンポジウムを企画していきます。ご期待ください。

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