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心理教育相談所レポート

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【2014/10/18】

災害後に、現場で求められる心理的応急処置(PFA)とは?
~私たち一人一人にもできること~

 平成26年10月18日(土)に、第7回目となる心理教育相談所主催講演会を開催しました。
 今回は、「災害後に、現場で求められる心理的応急処置(PFA)とは?~私たち一人一人にもできること~」をテーマに、桜美林大学の種市康太郎先生にご講演いただきました。

 種市先生は、企業従業員のメンタルヘルス対策をご専門とされていて、数年前までは聖徳大学で教鞭をとっておられ、授業が分かりやすいことで大人気の先生でした。
 今回の講演会では、PFA(Psychological First Aid)という心理的応急処置について、約2時間かけてご紹介いただきました。

 PFAとは、深刻なストレス状況にさらされた人々への人道的、支持的かつ実際に役立つ援助のことで、その対象となるのは、重大な危機的出来事にあったばかりで苦しんでいる人々だそうです。

 PFAの原則は、準備(Preparation)、見る(Look)、聴く(Listen)、つなぐ(Link)のP+3L。

 準備(Preparetion)とは、起こった危機的出来事について調べたり、現地で利用できるサービスや支援、そして安全と治安状況などについて調べること。
 見る(Look)というのは、まず安全確認をすることと、明らかに急を要する人、つまり急病人や深刻なけが人の確認、そして深刻なストレス反応を示す人の確認。
 聴く(Listen)というのは、支援が必要と思われる人々に寄り添うこと、必要なものや気がかりなことについてたずねること、人々に耳を傾け、気持ちを落ち着かせる手助けをすることで、相手の話に集中して、思いやりを持って聞くことが大切なのだそうです。
 具体的には、最初に名前と所属を述べて自己紹介したり、お役にたてることはないかと尋ねたり、話すことを無理強いせず、相手が話したい場合に耳を傾けたりすること。
 つなぐ(Link)というのは、自立を支援し、自分で自分をコントロールする力を取り戻せるような手助けをすること。
 さらに、相手にとって何が役に立つのか、自分の考えを押しつけないことや、相手から何か情報を求められたときには、知っていることのみを伝えて、はっきりと知らないあいまいな情報を伝えないことが必要という事でした。

 また、大人も子どももその対象になりますが、重大な出来事を経験したからといって、すべての人に必要というわけではないとのことでした。
 そして、支援を行う際に覚えておくべき大切なこととして、相手の安全や文化を尊重することと、支援を行う人が自分自身のケアを行うことを挙げられていました。

 今回の講演会では、途中でグループワークも行い、実際のPFAの感覚を体験しながら進められました。
 種市先生のお話はとても分かりやすく、ご参加いただいた皆様にも大変好評でした。
 ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 聖徳大学心理教育相談所では、今後もいろいろな講演会・シンポジウムを開催する予定です。どうぞご期待ください。

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