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心理教育相談所レポート

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【2014/7/26】

自らの悩みにどう向き合うか〜うつと不安を理解するための認知行動理論〜

 7月26日(土)、聖徳大学心理教育相談所主催の講演会「自らの悩みにどう向き合うか~うつと不安を理解するための認知行動理論~」を開催しました。

 講師は日本における認知行動理論の大家、東京大学教授の丹野義彦先生でした。

講演会では、まずうつの症状について解説されました。
 丹野先生によると、うつ病に至らないうつ状態は、だれしも経験する状態だそうです。
 そのようなうつを理解し、自らの悩みに向き合うために有効とされる認知療法についてご紹介いただきました。

 私たちは何か出来事があると、その出来事がきっかけとなって、思考を行います。
 これを自動思考と呼ぶのですが、うつ状態にある人は、この自動思考が偏ることがあるそうです。(例:部屋が散らかっていることを友人に批判された→友人は私を嫌っている)
 偏った自動思考は嫌な感情を高めます。
 これが続くと、うつ病になってしまうことがあるそうです。
 この自動思考に当たる部分を、心理学では「認知」と呼びます。

 では、私たちはどのようにうつ病になるのを防げば良いのでしょうか。
 丹野先生によると、私たちは、自分に降りかかる出来事が感情を呼び起こすと考えがちです。
 しかし、私たちは出来事そのものをコントロールすることはできません。
 呼び起こされた感情をコントロールすることも難しいです。
 そこで、出来事→認知→感情の枠組みで一連の流れを捉えると良いそうです。
 出来事と感情をコントロールすることは困難ですが、認知を変えることはできます。

 例えば、部屋が散らかっていることを友人に批判されるという出来事が起こった場合、「友人は私を嫌っている」という認知ではなく、「批判されたのは私のやったことであり、私という人間を嫌っているのではない」という認知を持つことで、落ち込まずに済むとのことでした。
 このように認知を変えるには、自分の自動思考が本当に正しいものなのかどうか、自分自身に問いかけると良いそうです。
 例えば、「そう考える証拠はなんだろうか?」
 「他の見方はできないだろうか?」
 「そう考えることにどんな意味があるのか?」
 こういった問いかけを通して、その自動思考が本当に正しいのかどうかを、自分で決めると良いそうです。

 今回の講演会には、なんと177人の方にご参加いただきました。
 会場は満員で、予想を上回る大変な盛況となりました。
 ご参加いただいた皆様、暑い中、本当にありがとうございました。

 聖徳大学心理教育相談所では、今後もいろいろな講演会・シンポジウムを開催する予定です。
 どうぞご期待ください。

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